天然と計算のあいだ。
自分らしく、いこうよ。

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

: - : - : - : posted by スポンサードリンク
雛祭り 彩世の場合
 




花簪(続きを読むから)



月に願いを(TWO PIECEへ)




春を迎える頃、また会いに来ます。

それまで貴方は待っていてくれますか。


 

 

 

 

その約束をしてもう何度目の春になるのだろう。

私は約束に囚われている。

愛の言葉を言ってくれたわけでもない。

ただ、待てとあの方は言った。

それが私にはとても特別なことに思えたのだ。

 

 


 

だが、あの方は来なかった。

次の春も。その次の春も。

 

 

 


最初はなぜ来てくれないのかと苛立ち、憎みもしたが、

今では諦めのようなものに変わっていた。

もう、私のもとへ来ることはないのだろう。

でも、どうしても待つことをやめることはできなかった。

 

 

 





 

また、春が来る。

 

 

 




 

その者はあの方の従者と名乗った。

あの方は重い病を患っていた。

医者には春にはよくなると言われていたらしいが、回復の兆しは見えなく、

病状はどんどん悪化していった。

床に伏せた中、よく従者に私の話をしていたそうだ。

春になると、起きれもしないのに、起きようとし、会いに行くと、約束なのだと。

 




 

涙がこぼれた。

忘れられたわけではなかった。

こんなにも想ってくれていた。

私はただ待っていただけだった。

どうしても会いたければ、あの方を探して会うこともできただろうに。

私はそれをしようとしなかった。

 

 




 

従者は私に渡すものがありここに来ていた。

花簪。

貴方によく似合うだろう。

会うときに渡すのだと嬉しそうに話していたそうだ。

 

 





 

花簪を髪に飾る。

 

 

 

 

 

 



 

あの方はもういない。

 
: 小話みたいなの : comments(5) : - : posted by 彩世(あやせ)
スポンサーサイト
: - : - : - : posted by スポンサードリンク
Comment








和だわあ。
和の雰囲気だわ。
こういう秘めたる思い的なものに、わたくし弱い。
相変わらず、いいものお書きになりますなあww
posted by 綾瀬 : 2009/03/03 10:18 PM :
花簪ですかー今は菜の花でしょうか。

こういう思いをした人は強くなる
そう感じます。

春の「にほい」が毎年それを思いだすことになるかと思うとよりそう感じます。

いい文だなぁ。
posted by : 2009/03/03 10:49 PM :
和風な感じですね。
ジーンときますね、こういうのは。

…このくらいしか言えないくらいにいいですわー(*´∀`)
posted by Mr.Noddy : 2009/03/03 11:25 PM :
とてもシンプルな言葉で 印象的な文章ですねー

>あの方はもういない。
この終わり方も 断定と余韻の両方が一度に感じられて
じーんとしました

相変わらず 素敵な作品です。
posted by 恵以子 : 2009/03/04 7:46 PM :
今と少し違う世界っていうのは、やっぱり魅力があるよねー。
こんな雰囲気、私も大好きだっ!
posted by yumi : 2009/03/04 11:11 PM :
<< NEW : TOP : OLD>>
 
アクセスランキング